深夜のまな板光る烏賊の背中12
堅気デイズ!
終日、スイッチ設定ばかりに走り回っていた。長い休みに入る前はいつもこんな感じだ。ポケットにドライバーだの乾電池チェッカーだのはんだの切れ端だの詰め込んで、ぐたりとして事務所に戻ると、先輩がこれまたジェリービーンスイッチを分解していた。私たちが作るものと、原理は一緒なんだね。
冷たくて寒い冬の日で、私の指は珍しく氷の棒のようだった。ひとの体を触るとき、指が冷たく硬いことはひどく申し訳ないことだ。
なにをしたかと申しましても
夕方、友人に小豆島オリーブの新漬を送る。美味しいものを送る(送ってもよい)という気の置けなさと、彼女なら美味しいものを共有できるという確かな期待は一朝一夕には生まれないもの。ありがたいことだ。