ねえ、どこかひとつだけ変えていいなら

もうひとつき経たないうちに、母になっていく友人に会いに。
母になるまえの彼女に何故だかどうしても会いたくなって、新幹線に乗ってきた。黄色い花束を買っているうちに、「いつも通り」約束より遅くなってしまった。もう4年間も会ってないのに「いつも通り」もないけれど、なんのおかしさも違和感もない。


サラダとパスタ(カルボナーラ!)とピザマルゲリータを彼女のお手製でいただきながら、夜まで話をした。私たちは「いつも通り」食べて飲んだ。あの日々は私のなかに消せない澱をつくり、「いつも通り」といわせる魔力を静かに発揮し続ける。永遠みたいに、無限みたいに、温い羊水は騙し続けてくれる。



戻りたい2000年夏
そこに戻ってもまた
青子は今の場所にたどり着くかい?




お腹のなかの子は、ときどき親譲りの凄い脚力でキックを繰り返してた。
早く出ておいで、みんな待ってるよ。外の世界にも羊水はあるから、大丈夫だよ。