さようなら文月

海に出かけた

水は決して綺麗ではなく、空も澄んだ青ではなく、人の居ない白い砂の上を行くのではない。
けれど、古い鰐の浮輪のうえで果ての見えないぼやけた水平線を眺めることができる。到底足のつかない深い緑の世界に浮き、不思議なほど何の不安も感じずに。
そしてサイズの合わないビーチサンダルの底をパタパタいわせて橋をわたり、猫ののびる神社まで登ったりできる。色とりどりに鮮やかでいながら全く音のない浜が見渡せる。蝉の鳴くを聞きながら、何故か静かで静かでたまらないと思う。

オリエンタル

旧友とその彼女さんに会うため、夕方海から戻った。北海道出身の彼女さんが絶賛する、魚の美味しい『オリエンタル』にて。
絶品銀ムツのアラ炊きを頬張ってるうちに、七月は知らない顔で去って行ってしまった。