今日、夜光虫を見たんだ

8月の嵐

海の突堤に、足をぶらぶらさせながら夕凪と座っていたら、目の前を過ぎる神戸ゆきのフェリーから、
おい、しぬなよー
と声がとどいた。

びっくりしたか、なんでもないことが耳に残ります。死ぬ気なんてありませんが、声のしたフェリーのゆく海路を私はずっとぼんやり眺めている。


この美しい讃岐の夕方を、誰とも共有できないことは、罪深さに似て、もったいないと思いもする。だけどひとりでしか、こういう風景には会えないということもまた知り始めている。


そうしていたら足下の水のあわいで、夜光虫が光りだしていた。
誰かが海底から青いライトを点滅させるような光、が無数。
ぞっとしてもいた。見とれてもいた。恍惚の思いで見ていた。

谷口智宏 Solo Exhibition

会期が今日までなので、終業後にプシプシーナさんまでかなり飛ばした。間に合って良かった。
『ペンギンの神様』の右側の顔が、怖さを湛えていて好印象だった。どちらかというと大きな作品たちが魅力的な彫刻たちだった。いいものを見ました。