深夜のまな板 光る烏賊の背中14

年末デイズ

昨夜、必死の思いでたどり着いた実家に正しい年末はなく、通常のくらしを繰り返す。
職人の朝ごはんを食べ、犬の散歩に出かけ、父の挿絵の手伝いをする。贅沢に陽射しを取り込む暖かな部屋で、もくもくとペンを動かす。苦は全くない。むしろずいぶん前からこれを楽しみにしている。

散歩道は変わらず。

彼の顔も変わらず。

手伝いも変わらず。

変わりなき こともなき世を 変わりなく