今夜の月について話をするひとがいない件

普段の私の生活圏内であるところの〔世界〕に、さて身体が適応するかどうか、小さな恐怖を大事に連れて、職場に出かけた。

桜のつぼみが早くもその存在感を示しだしている。彼らは、あのか弱い花びらに似つかわしくなく黒々した衣を幾重にも着て、ずんぐりしている。不格好に、図太く、しかしさやけき浅春を知らせている。

そんなわけで<本日の屋島

本日屋島は脇役かな。


外来の患者さんと裏山に上った。奥さんと三人で。見下ろした今日の街は、もやがかかって白く平らだった。
ディメンティアのあるその人は、頻りに、この山に来たことがあると私に教えた。それから赤紫の山茶花に手を触れ、剪定しなくてはと何度も口にした。
例えば、私の今見ている山は、彼のみている山ではないかもしれない。例えば、かつて祖父について登った山は、今目の前にある山でないと言い切れない。やはり、私はまだ仕事についていけてないのか。
患者さんにデジカメで街を撮ってもらってから、最後に私がご夫婦を写した。空気がまるい。「おとうさん、私スイスに行きたかったなあ」山を下りながら、突然奥さんが明るい声でそう言った。なぜだろう。これから先忘れないような気がします。


今日もまたクロネコさんがクッキーをとどけてくれた。スノーボールとロッククッキーだそうだ。スノーボールが絶品!たくさんあったけど、美味しくて食べちゃってこんな量↓


今日の月はプレパラート、あるいは分銅をのせる薄い皿のようでした。




本日のおやすみブレンドローズヒップティー(無印ティーバッグ)

月といえば…月兎のやかんを買おうかな。