その瞬間、彼は何になったのか 風か鳥かあるいは
それでも何となく寒い朝だ、息が白い。昼には汗ばむ陽気が待ち構えているのにね。
<本日の屋島>
午後から、難病在宅復帰のチームで、試験外泊を兼ねた訪問と関係者会議。
何ヶ月もかけて受け入れ体制が作られてきたその家のベッドに、患者さんが横たわったとき、あぁこの人は家にかえるんだ、と刻印のように胸に文字が浮かんだ。感傷的ではなく感慨深くもなく、ただ朴訥とした事実として、私はここで生活していく人、というものを見た。部屋は彼女によく合ってたと思う。
どうかこの試験外泊が、彼女の幸せにつながるひとこまでありますように。
そして私はというと、ここ1週間肌荒れの波に悩まされている。食欲が戻ってきたからか、吹き出る春の息吹に乗じたか。友人の結婚式も迫ってるのに、困ったもんだ。
夜、友人Mから電話。
専門性が高くなっていくことは、何かを手に入れる代わりに何かを失ってもいくこと。ただ、決して道が狭くなっていくわけじゃないと大学時代から思ってきた。道は広く多く複雑に、まだまだ未熟な自分の前に存在するのです。
最近本屋で立ち読みした本。「この写真集のなかに田辺あゆみ以外の存在を見いだせたら、それは幸せなこと」というレビューがあった。その通りなんて素敵なことだ。そして、藤原冥砂以外の誰かの存在をこちらがわに見いだそうと夢見る。女の子やからね。
- 作者: 田辺あゆみ,藤代冥砂
- 出版社/メーカー: ロッキングオン
- 発売日: 2004/04/30
- メディア: 単行本
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