サンガツココノカ 春の雪 凍りの枝 霙の花

みぞれふる こえだにひかる つゆのはな
俳句な、と言って、朝一番にリハビリ室に来たその人は詠んだ。私が驚くと、看護師の川柳も作ったのだと言って、披露してくれた。窓の外は、重たい春の雪が落ちていた。


寒の戻りと皆が口々にいうなか、春の恵みは届けられた。土筆という字もなかなかお洒落。

教えられた通りに、炒め煮にしてみた。驚いたけど、土筆って火を通すと紅になるね。

少しだけ、快い程度の「えぐみ」がある。若くて薄緑色の味がする。半分はそのままご飯に乗せて、半分は卵とじにしていただいた。


旬を食べるという自然性は、いつしか、私のなかでは意識的なあるいは特異的な行為になっている。それは、全き自然ではないのかもしれない。コンビニでペットボトル飲料を買う行為の方が、私の生活において恐らくは自然だ。
それでも、こうして手に入った恵みを丁寧にいただくことの豊かさを、忘れずにいたいものです。春には春の、初夏には初夏の、夏には夏の……楽しみじゃないか。


本日のおやすみブレンド:甘酒しょうがたっぷり入り
もう飲む機会もないかと思っていたが、あまりの寒さに熱くて甘いお酒を。麹から練って溶かして作った。うまい!