なごり雪の降る街のうえ、の光り、の雲、の裾、の下、の私

母の62回目の誕生日だ。
私の母の。
啓蟄というのだ。この時期のこと。虫が動き出す季節のこと。母はその季節にうまれたことを誇りに思っている。昔から。

むしさんがうまれるのと同時に、おかあさんもうまれたのよ。おかあさんは、むしさんと一緒よ。自然に沿ってうまれてきたのよ。いいでしょ。

繰り返す母の、母のなかにある自然時計が、ずっとずっとずっと動き続けたらいい。どうか、まだもっとずっとずっと先まで。


<本日の屋島

今日は巣箱ができた。
私が笑いながら、さみしいこといっぱいあるなあ、と言ったら、彼は巣箱を作ってやると言った。春になったら、ここに鳥が来てくれるからと。



ここのところ、続けざまにいただきものをする。春のちりめんが有名だと言って、庵治であがったばかりのじゃこをもらった。あつあつのご飯に、じゃこをたっぷりのせてレモンを搾ってちょっとだけ醤油を垂らして…と彼女の言う通りにした。

おいしい。ひとりで食べてもおいしい。人からの恵みやからね。