いつからか冷静ではいられない渦のなかに生きて在る

昨日と同じ程度にはあたたかい朝。今日は午後に患者さんと味噌汁をつくる約束をしているので、朝から一度自分で作ってみる。讃岐の白味噌を初めて買ってみた。甘いのもなかなかいいもんだね。

<本日の屋島

人は流れ流れて、私の働く部屋を通りすぎていく。
カサ・ビアへーロス(スペイン語で“旅人の家”)という名前の日本人宿のことを思い出す。そこで流れる旅人をただ受け入れて、拒まず追わず、朝の食事と眠る場所と冷蔵庫と台所を提供し、家のなかに飽きもせず一日中ビートルズをかけていた、キョウコさんのこと。今はもうそこにない、居心地のよい空間のこと。

今日は、私も二人の患者さんを見送った。彼らが帰っていく廊下には、土の中から春が生まれ出ていました。

病院を出ると、まぎれもなく春のにおい。鼻の奥をちょっと黄色に染めるような震えるにおい。淡い夕方によく似合うにおい。


今夜は広島に帰ることにした。パティスリーNIKIでケーキを3つ買って、屋島駅から始まる小旅行だ。
電車のなかでがつがつと活字を読みながら、家路を辿った。

すーちゃん (幻冬舎文庫 ま 10-2)

すーちゃん (幻冬舎文庫 ま 10-2)

([お]5-1)食堂かたつむり (ポプラ文庫)

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