直島 追憶の黄色い南瓜 それと紅色の島ツツジ

早朝2人分のお弁当をぎっしり詰め終わって、少しだけ眠ろうと横になったら9時。まばゆいばかりの光にのらりくらりしながら、計画通り直島へ!
高速艇乗り場でひとり寝転んで、区画ない空を見ていた。私にもちゃーんと手があるんだなあ。


初・高速艇は度肝を抜く速さと轟音で、25分もすると直島着。
なんか嬉しくってずっと外にいた私&友人は、もう髪も顔もくしゃくしゃ↓


言わずと知れた草間氏の南瓜たちが迎えてくれます。


宮浦の防波堤に腰掛けて、早速お弁当。料理をするたび、あぁ母親の味に似てきてるなあと思って苦笑いする。

凪の海を見ながらふたり並んでいたけれど、湘南育ちの友人にはこれは海だとはなかなか思えんやろね、と、ふと。同じとき同じものを見ているのにね。私はこの海にまぎれもない故郷をみる。


午後一から自転車を借り、地中美術館へ。前回来たときは、何よりモネの『睡蓮の池』との出会い方が圧巻で、今回もモネモネと胸に気泡を抱いていったけれど、私が変化したのか季節の光が違ったのか、はたまた客の入りかたが違ったのか、前回ほど強烈ではなかった。でも太陽光に合わせて色を変える、その5枚の絵の中に立っているたゆみない浮遊感は、言いようのない気持ち良さでした。人が居なくなって、その部屋の真中にいると自分の圧縮率が見事に変化する。
今回のお気に入りは、ジェームス・タレルの『オープン・スカイ』でした。何の大胆さか、その作品のなかに寝転がってみた私たちの目の先には切り取られた空が刻々変わり続けていた。気持ち良かったなあ。


夕飯はリアル直島『ふじ食堂』にて。お酒好きな地元のおじさんたちが集っていた。
銭湯大好きな友人が1番はしゃいでたのが、大竹伸朗氏のプロデュースした『I撚湯』であった。洗い場もさることながら、浴槽の床には春画が敷き詰められてて驚くやら興味あるやら。ふたりで湯の底に目を凝らし「結構きわどいねー」とか言いながら這い回り、湯ダコ状態。そこで鼻血出したりするのはちょっと避けたい事態だったので、そそくさと退散した(笑)
夜カフェは自転車を借りた『Little Plum』にて。「ちょこっと飲もう☆」スタイルがいつの間にやら「今日しか飲めねー!」スタイルになってた。チンザノのドライとロッソのハーフが美味しい!いやにまだらに赤くなってる写真を撮られる(非公開)。かつてビール80mlで倒れた伝説の過去を持つ友人は、二度にわたり「いちごミルク(カクテル)の限りなく牛乳多いやつ下さい」と注文し、たこわさをつまみに飲んでいた。最終的に請求額をみたら、カクテル一杯分安かった。あれは2杯のカクテル中に1杯分のリキュールしか使わなかったという直島計算なのかな。牛乳タダ飲みやね。

そんなこんなで久しぶりに気持ち良く酔っ払って、千鳥足で草間弥生の赤南瓜を見に行った。きれいでした。酔っ払っていたからじゃないと思う。カメラは嘘はつかんもんね。

ゲストハウスに戻り、眠くない!とわめきながら、あっという間に寝てしまった。友人がテレビを消そうとしたら、例のごとく寝ない寝ないとごねたらしいが、当然私に記憶はない。