直島 君は雨が降っていますか

午前7:47 隣の友人が何やらごにょごにょ言うている。「ご飯8時からだからもうちょっと眠れるよぉ〜」……そんなわけでゲストハウスの姉さんに電話で呼び出されて朝ごはんに降りていく始末。しかもすごい量食べた。『SEVEN BEACH』という宿ですが、朝ごはんが丁寧でかつ量もあるからオススメです。


土砂降りの9時を過ぎると晴れ間も見えてきたので、我々は自転車に乗って家プロジェクトへ。
はいしゃ(大竹伸朗):

個人的には何度行っても「ここには住めね」と思って出てくるのですが、2階の小さな畳の空間が好きです。道路に面した小さな障子の窓があってね。

南寺(ジェームス・タレル):

ここは初めて入りました。あの幽玄の光は、ほんとに初めからあったの?見えてない私はまるで何も見えてないのだね。

碁会所(須田悦広):

相変わらず、椿がたくさん、あるいはひとつぽとりと、置かれていた。この家の本当の中心にある椿の木は、はやくも枯れていた。

石橋(千住博):

前回、長い長い間4人で座ってぼんやり感じていた『ザ・フォールズ』を見ました。あのときの静かな滝の音は今回は聞けなかった。邪念?いやいやそのかわり、縁側に腰掛けて庭の石橋が見られるようになっていて、その柔らかな石橋を何十分も眺め続けた。

写真ありませんが、あと2つ『角屋(宮島達男)』と『護王神社()』とを回りました。角屋のカウンターは、より遅いものを探すのが好きです。護王神社は、以前ほど海に向かって道が突き出ていく感覚を得られなかった。でも、まわりに咲き落ちる椿がひどく美しいと思った。

帰りに、トンボ玉という響きに惹かれて『工房グラスチャーム』へ立ち寄る。トンボ玉自体は体験しなかったけど、おばちゃんが生姜をすって作るジンジャーティは旨い!それに、折よく蒸しあがったおばちゃん手製のお饅頭をいただいた。試作品というけど、絶品とはこのこと。

ゲストハウスに荷物を取りに寄り、[雑木帳]なるものに我々の足跡を残す。やはり友人にはあの風呂がベストマイラブだったらしい。

最後に、直島の猫たち。見事な保護色のとらさん。

はいしゃにて、にゃーこさん。ときどき怒る。

護王神社ふもとにて、パルファンさん。置物のごとくフリーズしていた。やはりときどき怒る。


いい旅だった。出会って10年、そして変わらないものもここにあるよなあ。